春を待つ あとがき


 春を待つ 最終回を終えて


 サイト開設1周年の記念として「窓に降る雪」の続編を書きましたが、「窓に降る雪」は1年前の作で初めて書いた小説とはいえ、あまりのヘタさに読み返すたびに裸足で逃げ出してしまいたいと感じるほどです。ここはもっとこう書いたらいいんじゃないかと思うところばかりで、 手を加えたいのはやまやまなのですが、自分への自戒の思いから大きな書き直しはせずにしてあります。「窓に降る雪」を完結させた時は、完結させた達成感というか安心感というか、まあ自己満足ですが、もうこれでよし、という気持ちでした。 もともと続編やスピンオフの創作にもあまり興味がなかったのです。
 けれども後になって「窓に降る雪」の最終話でふたりの結婚パーティーをしたことについて、これは短編「いつかの海辺で」の漣の店でやったらいいんじゃないかと思いつきましてずっと構想はあたためていました。 そもそも「いつかの海辺で」の漣と高宮をいとこという関係にしたのはほんの遊び心だったのですが、これを絡めて書こうと、まあそんな次第になったわけです。
 ストーリー的には「続編」というよりは高宮と三生の結婚までを詳しく書き込んだ形になりましたが、高宮と三生に加え漣と緒都のことなど欲張りにまとめてしまいました。ともかくふたりの結婚までを書けて今はほっとしています。

 サイト開設からのこの1年は本当にあっという間でした。熱しやすく冷めやすい私がひとつのことをこんなにも続けられたとは驚きです。自分の理屈をまき散らしているような作品ばかりですが、こんな作品でもサイトで公開して読んでいただけるという時代に生まれてよかった……と感じずにはいられません。 そしてこれはひとえに読んで下さった方々のおかげです。これまでおいで下さった方々に心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。最後になりましたが、どうぞ今後とも「空花の庭」をよろしくお願い申し上げます。


2008.09.06

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